Jesse Pinkman as a "consultant"
(ネタバレ注意)
近年見た海外ドラマで、妻も僕も圧倒的にはまったのは、Breaking Bad。
アメリカドラマの好きなところは、何年もシリーズが続いていくうちに、
キャラクターの人格が大きな成長や変化を遂げて、
どんどん感情移入が深まっていくところ。
このドラマは特に、主人公たちの人格の変化の描写が凄まじく、
最初から引き込まれ、そして、
心が痛すぎる最終シーズンの展開に至るまで、
キャラクターの人生に乗っかってしまった。
(主演の Bryan Cranston やキャストのインタビューもいくつか見たけど、
彼の役へのコミットメントがすごくて、更に好きになった)
好きなシーンもいくつのあるのですが、その中で、
コンサルタントとして、「わかるー!」と思ったのがこのシーン:
ジェシー、カルテルに指導する
ジェシーが、ボスのガスに連れられて、メキシコでカルテルのラボに、
ウォルトとジェシーの「製品」の作成方法を伝授しにいく場面。
しかし、ジェシーは化学について全くの素人。
ウォルトの元で作業は熟知しているものの、その元となる知識も応用力もない。
現に、作業工程の薬品の一つが準備されていないから、
「俺は○○って書いてあるバレルから取ってくるだけで、製法なんか知らないよ」
と慌てる。
こういう状況や精神状態は、仕事の上で非常に馴染み深く、
見ていて分かりすぎてお腹が痛くなるようだった。。。
初めての場所で、
自分がそれなりに知っているけど、深くまで知らないことについて、
その道の専門家に対して、
改善の提案や意見をする
このときの不安たるや。
相手(クライアントさん)の目は厳しいし、
この素人に何が分かる、と厳しく見ている (気がする)。
実際の仕事上では、いきなり初対面のクライアントさんに不躾に提案したり、
といったことは、もちろんありえないのだけど、
例えば、本社で採用した改善案を地方の事業所や工場で展開する、
といった場合には、これに似た場面というのは存在する気がする。
このときのジェシーの態度、見事だ。
自分が正しいんだ、という自信に自分の中で焦点を当ててこそできる。
あとの態度・表出自体はハッタリもあるけど、
心持ちは深い部分で自分が正しいと信じるもの("I know the right way to cook")に寄り添っている、気がする。
自分も似たような状況になれば、ぜひ思い出して自分の中の inner Jesse を呼び出したい、と思う。
(実際の口調とかはもちろん真似しないけど)
それはさておき、素晴らしすぎるドラマで、あまりドラマにはまらない自分も熱狂してしまった。